音楽を呼びさますもの

恋文を書くために埋め尽くされた練習ノート

せかいのこども

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                 わたしたちはみんな


                 鮮やかな色の花の


                 燃え立つような花の子供


                 なのだからだれひとりとして


                 ほかのだれかになりたいなんておもわない。


                        -北アメリカ・ウイチョル族の芸術家ー




                  私の栄光を讃えるため


                  完全に


                  ドラムにあわせて踊り


                  とまりなさい


                     ーアフリカ・ヨルバ族、
                         母なる祖霊たちの歌(ゲレデダンス)ー



                  

                  お姫さまは、自由がほしかった


                  結婚式のとある儀式の途中で


                  逃げ出してきた

                
                  ガラスケースのなかは窮屈で


                  さばくのうえを ましろきらくだにのってあるくと


                  すべてが白紙にかえりそうでうれしそう

                  
                  さばくにふる雪は


                  だれかがそっとタッチしてるようであたたかい
                    
                       ー第3楽章はgenkiのうたー



             「あ・い」このふたつの母音が簡潔にしめす世界ほど意味深く
              また多義的であるものはない。藍は犠牲の尊さを知る色だ。
             青花あるいは藍花といわれる藍色の染料は露草から精製されて
             友禅の下絵を描くのに用いられる。友禅のあの華麗な文様に
             それは欠くことができないが清流に流されて自らの姿を顕すこと
             はない。目に立つ藍でさえけっして己を誇示しない。
              目にしみる色の筆頭として藍や紺をあげたいがその目にしみる
             感覚というものは繊細な揮発性の感覚である。それは詩人の鋭敏な
             感受性にして初めて把握されるのかもしれないが、たしかに藍は
             透明に向けて無限に気化しつづけるものであるようにおもう。
             藍には空や海が時に見せる激しさはない。だがその静けさは、
             揺るぎない自然をあらわしている。藍の染付けの皿は世界を
             分け隔てのない寛容さで盛る。
             いや、藍は逢いはじめの記憶を鮮やかに保った儘、
             世界の中にすばやく隠れてしまうのだ。

              ー武満徹さんのことば・藍のいろ/あい色のひとりごとさんへー