音楽を呼びさますもの

恋文を書くために埋め尽くされた練習ノート

2017-01-01から1年間の記事一覧

タオルセット

胸が高鳴り鼓動の音で眠れない 昂奮して 寝汗をかき 体の芯が震えている 魂が震えている 鼓膜の振動が脳にまで伝わる クリスマスプレゼントはベルトコンベアに乗ってやってきた 選んだ箱は持った瞬間軽くて、期待はしてなかったが 開けると花柄のタオルセッ…

音えんぴつ

あ となぞると あー と音の出るえんぴつがあったらいいな えんぴつの芯 にことばあり よめない文字も書けばいい よんでくれる うたをうたう 色鉛筆でお絵描きしたい ぼくは じぶんを鼓舞するうたを描く がんばれ じぶん ひるむな じぶん

男のくせに

男のくせに二重まぶたになりたかった 大人になったら勝手に二重まぶたになった まぶたばかりいじってたからまぶたにシワができたからだろう 男のくせにお料理が好きだ お酒は飲まないけど 男のくせにお掃除が好きだ 内側から滲み出てくるカビが憎い 死ね 男…

胃の中

となりに座った紳士が語りかけてきた 胃のなかのものをお見せしましょう キリキリする胃のウエっとな胃液をお見せしましょう 逆流する胃の嘔吐物をお吐きしましょう 胃の粘膜の乾燥した固形物をお吐きしまし あ いやそんな そんな 困ります はい ぼくは腰を…

老婆

老婆の吐く息はマーシャルのアンプの匂いがする 朽ちて焼け落ちた真空管の匂いがする 殺風景な病院の待合室は老婆のお気に入りの場所 大声を出さなくとも以心伝心 他愛なく親しく 焦髪を振り乱しながら 煙管に火薬を詰める その仕草は人間の単純な最も人間ら…

あおざかな

あなたはあおざかなをなまで食べれますか なまさばをなまで食べれますか なまさんまの内臓をなまで食べれますか きっとおなかが痛くなるでしょう あおざかなを食べてあたまがよくなりました からだがじょうぶになりました 釣り好きな彼女ができました 休日に…

母指球 地球のへそ 無重力

暗闇生活 偏西風 部屋に入り込むすきま風 最後に すき って伝えてから さよならしたい きみ との距離 15センチ もうすこしで 手の届きそうな 位置 ふんばれ母指球 地球のへそを おなかに入れて やば 男子ズボンのチャックのなかが発狂寸前

ギター弾くんだ

愛言葉は え!?ギター弾くんだ あ、ピアノ弾くんだ うそ、笛 吹くんだ へー、太鼓 叩くんだ (ぼくは全身でオナラする) あ、バンドやってんだ 一緒にやろっか

モテ期

モテ期が何処かに行ってしまった いや モテ期なんてなかった もてはやされたけどモテなかった 足はうまれつき短かった 土踏まず中心に歩いたのでいつまでもよちよち歩きだった 喋る前に大きく息を吸う癖 溜め息で歌う学芸会の劇のなか 脇役だったけど黄色い…

涼しくて快適

プロのストーカまたしても真夜中の冷蔵庫の潜入に成功 冷蔵庫のさ なかってさ涼しくてさ 居心地いい 冷えたサラダ 冷めた味噌汁 冷めたピザ ぼくは野菜室で眠る 眠るやいなや 君の声が台所から聞こえる どうやらぼくのことが好きらしい やった 冷蔵庫を開け…

ハピバスデー

U字溝の中にあたまを突っ込んで コンクリの無臭を嗅いで起き上がる 今日出合うすべての女の子を好きになろう 白い砂浜を自転車で駆け抜けよう お見合い写真には白黒の心霊写真を使おう

ブナシメジ

ブナシメジみたいなキノコ🍄が 口のなかからでてくることないかい? ぼくはあるよ 生きるか死ぬかの対戦型ゲームを僕としないかい? 君が死にそうになったら僕がミスするよ 今朝食べたキノコが発酵して昼食時に口から出てくることはないかい? ぼくはあるよ

いまが春なんです、

春という気もちは 持っているお金を全部使ってしまいたい そんな衝動に 似ています 朝型人間は3時には起きるわけです することがなくて ただ目をあけているだけです 新聞配達でもしたらという友人もいますが 春になったら稼いだお金を全部使ってしまいそう…

圏外に住む男

彼は圏外に家を建てた 電波の届かないところから 手紙が届いた まこと つつましい暮らしです 薪割りに精をだしてます 徒歩でいけるところに水汲み場があります 炭焼き小屋はお気に入りの場所で 燻の匂いのする屋根の上から 宇宙と交信しています と書かれて…

早春の港

暦を一枚めくって また春がきて 懐かしい春風の香りをかいで 道ばたのおなじ場所につくしが咲いて またきみをすきになって 桜 かけあしで かけあしで かけぬけた おいつくまで 背中がみえるまで 春が過ぎ 夏が過ぎ 秋がこなかったのはなぜ 季節を追いこした …

スマホ

捨てたくても捨てれないスマホ わすれてしまってはいけないひとの気持ちを忘れずにいきたい