音楽を呼びさますもの

恋文を書くために埋め尽くされた練習ノート

2015-01-01から1年間の記事一覧

スマホにうつる貌

きみのどこがすきかっていうと 体が薄っぺらいところ まぶたが腫れぼったいところ目がキツネ目なところ きみの顔がすきなんぢゃない きみのまわりをつつんでいる暗い影がすきなんだ いちばん快感な瞬間はきみのこころの 23%をぼくが占領してるとき 48%を超…

亡霊人形

きみのどこがすきかっていうと 体が薄っぺらいところ きみの顔がすきなんぢゃない きみのまわりをつつんでいる暗い影がすきなんだ いちばん快感な瞬間はきみのこころの23%をぼくが占めているとき 48%を超えると嫌悪感 ついに死にたくなる 痛みのない骨を拾…

危険物

この赤と黒の絵の具だけで何を表現しろというのか 火と炭と着火剤と爆竹とミサイル 香辛料を火のなかに投げ入れたときの爆音 切り裂いてくれ からだに合わない大きいサイズのだぼだぼパジャマ 金はいらない 愛をくれ とにかく 町内の危険物入れに自転車を捨…

危険人物あらわる

この赤と黒の絵の具だけで何を表現しろというのか 火と炭と着火剤と爆竹とミサイル 香辛料を火のなかに投げ入れたときの爆音 切り裂いてくれ からだに合わない大きいサイズのだぼだぼパジャマ 金はいらない 愛をくれ とにかく 町内の危険物入れに自転車を捨…

師走が1年のなかでいちばん暇です

埃のかぶった古本を1冊づつ紐解いていくと 活字のなかに愛が生きてまだ息をしていた セピア色の恋は失恋の色だって誰かが言ってた 詩人はさみしさが有り余って胸から溢れでた瞬間を文字で綴るだけ ギタリストは壊れたコードを修復してかき鳴らすだけ とりあ…

アドベンチャー号

冒険号とボンネットに看板のついた列車は 高原鉄道駅をゆっくりと発車した 高原に花は咲いていなかったが爽やかな空気が冒険者のこころを癒やした 列車がこれからむかうネバーランドという土地はピータパンにでてくる場所で冒険心を否応なしにくすぐった 車…

静電気

冬になると心臓に電磁気をもっているぼくは 電波塔となり電波を受信するんじゃなくて飛ばすんだ またはステージでエレキギターにてサンダーボルトなみの電磁波を爆音で飛ばすんだ つまり全身全霊静電気なぼくは 人がさわるとチクチする磁気がでているから 人…

時の魔導師

時間よ止まれ しかしなにも起きなかった彼女は魔術を忘れた魔導師であった時をかける少女と喧嘩して登校許否してひきこもってたら体力と気力が失せて魔術を忘れてしまった彼女は自分が魔導師であることをクラスメイトに黙っていたが時をかける少女がバラした…

胃の問診とその麻酔で気絶したときにみた夢

胃の中身を覗いた胃潰瘍の傷が幾重にも重なって蛇のように渦巻いていた胃がしくしく痛むのは雨の日かとくに低気圧が台風になった日は激しく痛む会社から家までの帰り道は一本道でここ最近は寄り道して帰った記憶がないでも今日はとても生肉が食べたかったの…

菌がウヨウヨしていた

カバンのなかで放置されたチヨコレイトがドロドロにとけてそれはまさしく醜くい愛が形となったようにドロドロしていた食べたらいけないもののリストに毒キノコがあるようにカビだらけの牢屋は陽のあたらない場所で悪い病気になる菌がウヨウヨしていた見てし…

フクロウの死

デストロイヤーが死んだ日ぼくは部屋に閉じこもり一日中音楽をきいていた武満徹がいなかったらぼくは音楽を嫌いになっていただろうそのあくる日 虹に向かって飛んでいったフクロウが迷子になって帰ってこなかったぼくのこころのスキマにきみがいてホーホー泣…

スピカ

白い針葉樹のならぶ小高い丘は星がよく見える場所だった そこは夏の星座も冬の星座も一堂に見わたせる不思議な丘で 空には宝石みたいな星が一面輝いていた きみの星を見る目も澄んでいて綺麗だった サファイヤみたいに青白く瞬いてるのがスピカ そのよこにぽ…

ナイーブ

ぼくは みためのとおり ナイーブだナーバスではなくナイーブなんだ そこがナイスなところむかし組んだロックバンド名も ナイーブ で演奏云々よりかぶっていたトンガリ帽子が話題になったナイーブですから、クリスマスまえになるとクリスマスなんて早く終わっ…

林檎が樹からおちるまで

告白されてから彼女は林檎が樹からおちるまでずっとめそめそ泣いていた林檎の樹は校舎の裏にぽつりとたっていて泣いていたわけは ぼくにはわからないけどそれはさいごにいっこだけのこっていた果実だったので 赤い果実をうしなった林檎の樹はさみしそうにみ…

2020年宇宙の旅

まだ12歳のころ2020年なんて宇宙で暮らしてるとおもってた宇宙の無重力状態ではカップヌードルにお湯が注げない12歳のぼくはそう教わったが2020年には未来の進化したカップヌードルがちゃんとあって 麺が逆立った女の髪のように下から天に向かってのびでてき…

ぜんぶ嘘

原始人が河原でひろったとんがった石ころで人類の歴史上はじめて刻んだ文字みたいな絵文字みたいな象形は「嘘」という字に似ている。はじめは友だちとしてつきあっていたがつきあっていくうちにだんだんすきになってきたと嘘つき少女が目の前の彼氏にそうい…

トマトギャル

吊革につかまっていたとき こちらの方にあたまをこすりつけてきた 女子高生がいたものだから ぼくは 指先のまだ先の 空気みたいなところで彼女にふれただけだったのに彼女は このあと あなたを 訴えることになるとおもいます というような目つきでこっちをに…

ジンジャンの夏休み

ジンジャンは秋がふかまったころに夏休みをとる小学生が冬休みをとって凧揚げをしてるときに秋休みをとるみんなみんなが終業式や卒業式が終わって春休みをとっていることにやっと冬休みをとるジンジャンはお化粧に興味があるがまだ化粧が下手だこのまえも眉…

Be動詞

たいせつに想ってたひとのなまえを ニックネームでよんだ それはまんまBe動詞みたいな なまえだった 病院にあたまを診てもらいにいったとき 先生が いまいちばんチャレンジしたいことを書いてご覧?の回答に 僕はひとつの文章のなかにBe動詞を3個もいれたw

男と女

男と女をたして2で割ったような顔は 一風どこにでもいる平凡な女にみえた だか彼女は富士裾野の山奥で野犬やオオカミと9年間暮らし 75%獣の血が混じった男の子を宿った 富士裾野市はその四つんばいで歩く男の子の出生届に際し 狼と大神を誤記したため 天…

みずぶろ

水風呂のなかからうまれた魚は死んだ目をしている が その深海魚みたいなさかなは 浴槽の底の水垢でくろずんでいるあたりで 6億年くらいじっとして棲息して ぱぱとままがまだ なかよしだったころの はだかのぱぱとままの そのまんまのすがたを シーラカンス…

淳平

夏が短く秋が長いとそのぶんもの想いに耽る時間が長くなる。淳平はかつて占い師に、水難の相があるて言われたことが気になって仕方なかった。相太は看破に折り畳みのテエブルを広げた。「淳平、賭博を教えてやろう」と花札の札をだして猪鹿蝶の絵札を並べた…

淳平

その日の夜は霧が出た。 明け方になるとあたりは白い靄につつまれ眠っていた仲間の眠りを深くした。 相太と淳平は眠れずに甲板に腰かけていた。 「淳平、静かな海だなそれにしても視界が悪い、見知らぬ国の陸地が迫っているような錯覚になる」 「先輩、幽霊…

淳平

宗馬相太はヨット部のキャプテンであった。 終戦記念日の翌日、ニュースは200海里付近で一隻の日本の密漁船が拿捕されたと報じた。日本政府はただち船長をはじめ乗組員のに釈放を要求したが、某国から何の音沙汰はないまま数日が過ぎていた。一等航海士であ…

淳平

淳平は卒業後、某商船大学に入学した。 淳平の偏差値は高い部類であったのでがむしゃらに受験勉強した記憶はない。 淳平はヨット部に入った。映画、裕次郎の「太平洋ひとりぼっち」や アランドロンの「太陽がいっぱい」に憧れたのである。 淳平は色白痩せ型…

先生

「許されるものと許されないものを細分化して校則規約に明記するべきだとおもいませんか」 風紀委員の顧問をしている杉谷先生は詩子先生に言った。 「悪事を起こした生徒に君が悪いと決めつけるのってどうなのかしら。悪魔が生徒を操った、わたしはそう考え…

先生

他愛もない日常からうまれる愛に美徳があるとすれば、永遠や未来にはデリカシーなど存在しない。 杉谷先生の親父は漁師だった。 「かにまる」という漁船で漁に出てイカやタコなどを水揚げし生計を立てていた。 杉谷先生は 「海の日に海の家の浜茶屋でかにま…

先生

淳平が学校を休んだので、その日の夕方詩子先生は淳平の家を慰問した。 玄関を開けると母親が出てきた、淳平は自室で寝ているというので、ふたりで色々話すことができた。「先生、先日はご迷惑をおかけしてすみません、あれ以来息子は朝がきても泥のように眠…

先生

河童に脚を引っ張られた少年。 淳平の名前は学校中に広まった。 淳平はもともと痩せ型であまり血色の良い方ではなかったが、事件後はいちだんと顔色が青白くみえた。 淳平が通り過ぎたあとの廊下はしっとり水で濡れていると噂するものまでいた。閑地の池の周…

先生

陽炎が熱風のなかで揺れていた。 夜になっても風は止んだままで、気温は下がらず微熱がからだのなかに残っていた。 みすゞは今までに3回気絶したことがある。 なにがどうなったのか、そのあいだわたしがどうなっていたか、みすゞ自信にはわからなかった。 ま…