音楽を呼びさますもの

恋文を書くために埋め尽くされた練習ノート

スピカ

白い針葉樹のならぶ小高い丘は星がよく見える場所だった

 

そこは夏の星座も冬の星座も一堂に見わたせる不思議な丘で

 

空には宝石みたいな星が一面輝いていた

 

きみの星を見る目も澄んでいて綺麗だった

 

サファイヤみたいに青白く瞬いてるのがスピカ

そのよこにぽつんと赤ちょうちんの灯りのようなアンタレス

 

すっかりからだの冷えきったぼくらは かえり道おでんを食べて帰った