音楽を呼びさますもの

恋文を書くために埋め尽くされた練習ノート

淳平


夏が短く秋が長いとそのぶんもの想いに耽る時間が長くなる。淳平はかつて占い師に、水難の相があるて言われたことが気になって仕方なかった。相太は看破に折り畳みのテエブルを広げた。「淳平、賭博を教えてやろう」と花札の札をだして猪鹿蝶の絵札を並べた時であった。大きな白い船が左舷から表れた。船艇に乎SAWという文字が見えてポンコツな中華船かと思うが確信はできなかった。黒装束の小男が外国語でこっちを威嚇しながら大声で呼びかけている。言葉が通じなかったので相太はどう対応するか考えていた。白い帆旗が翻るたびに鱗雲のある龍の紋章が見えていた。