音楽を呼びさますもの

恋文を書くために埋め尽くされた練習ノート

臭い息

歯が浮くようなセリフを言うようになったのはつい最近で

 

歯が全部ボロボロ抜ける夢を見るようになったのは二十歳くらいで

 

そのころから毎年バージョンアップしてたんだろうね

 

頭のてっぺんのつむじがむずがゆくなりツノみたいなのが出てきたのは三十歳くらいで そのころから臭い息を吐くようになったよ

 

不自然なよだれ が出て止まらなくなったのは四十歳くらいで それは赤子のように透明で 涙のような塩水だったよ

 

言葉の最初がどもるようになったのは五十歳くらいで 僕はもう告白のときに赤面して恥ずかしいおもいをしたものさ

それがとらうまになったかどうかはわからないが とにかく歯が浮くようなセリフを言うようになったのはつい最近のことです