2009-07-28 薔薇族 1 耽美小説 #小説 甚次郎。擦り切れた襦袢にその裾を今流行りの股下三寸ばかり 固結びで絡げて托し上げ、遠縁にあたる亡き叔父の従兄の甚の字から 一文字とつた名前。長男であるのに次郎たるやこれ如何にと級友からからかわれること常である。 須練界隈から巷の勾蹲界隈かけてのとおりに秘密結社のようにもみえる 若者の一同にたむろする棟割長屋一軒ありて 著しく筋骨逞しく肩から上腕にかけての隆々盛々黒々と半袖の 間から垣間見る。