音楽を呼びさますもの

恋文を書くために埋め尽くされた練習ノート

孵化

空想のなかでうまれて


空想のなかで死んでいく無数の命 


中指にペンだこをつくることのなくなった現代人


その物語の誕生秘話、奇蹟が重なり鳶が鷹を産んだ


結局ぼくがまもることのできるのはたったひとりで


ぽつんと凍土に生み落とされ生暖かい雨の日に孵化して それからずっとひとりぼっちのきみ


きみの空腹をみたすのがぼくだったということがうれしくてひたすらにぼくはペンを走らせた