音楽を呼びさますもの

恋文を書くために埋め尽くされた練習ノート

冬の花火

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               冬の夜空にあがる花火は

               身の置場のない痩せこけた兵士のように

               細い閃光を放っては消える

               久しぶりに吸う煙草にふらつきながら

               凍りついたアスファルトのうえを

               滑らないように滑稽な格好で歩く

               氷河期にも楽園はあった

               凍れる指先をおぼつかなく動かし求愛する男

               黙っていると自分が誰だかわからなくなり

               無駄な時間だけがすぎていく

               理性をうしない 冬の空に打ち上げられて散る花火