2006-09-30 『』 20億光年の孤独 #詩 アンテナには方向があるけど ススキを揺らす風に方向はない あっちの方向から歩いてきた人がこっちにむかってくる 駅前の交差点はこんなに人であふれているのに だれひとり顔を合わせようとしないのに なのにそのひとは こっちにあるいてくる 自転車の後ろの荷台にすきな子をのせてペダルをこいだ 会話をするのがこんなにむずかしいとはおもわなかった あのときのひとことがいえなかったから ぼくはこうしてまだここにいるのだろう 風とともに そのひとがこっちにあるいてくる