音楽を呼びさますもの

恋文を書くために埋め尽くされた練習ノート

夢ビデオ

大歳の夜のお客様

大歳の夜に来たりし 客は わが格子戸の戸を とんとんと 小さく叩き ああこんな年も押し詰まった晩に 誰やねん 戸を開けたが、誰もいない おかしいなとおもって、寝ようとおもい 中に入って2階のソファーをみたら この子 が腰掛けていた あ、このまえの夢の…

Who are you あなた だあれ

あなた だあれ ぼく いま じぶんでもよくわからないけど。。。 あ、こめかみの 剃り込み の 角度 37° もみあげのながさ18㎝ あなた だあれ あたしよ あたし せっかく だから かおみせてあげる あなた だあれ ぼく、ラッセル車 朝いちばんの まだ だあれ…

秋色の口紅

ひだりのみみから からだのおくへ よろこばせたいのは こころ かたちのとおりゆびさきでなぞって かたちどおりにふくらんで 静かに あっためて 火傷するまでホットに なでがたのしろいかた すきとおる せすじ いまだかってえたことのない 感覚 を おしえて …

セピア色の夢 Ⅱ

むかし みた こわい夢 いまでも 鮮明に おぼえている 玄関先に たっていた おおきな 武者人形 いやな におい 髪のもえる 爪のもえる 火葬場の えんとつの 煙 うさぎ跳びで のぼった坂 つらいとっくん その坂を のぼりおえたところに あった 井戸水を おもい…

海に降る雪

巨大な波が押し寄せきて 地球をいまにも飲み込もうとしていてる 人々は逃げ惑っている ぼくは小走りで、かなり前進したかとおもったけど なぜか元の場所で足踏みしている 海原にほおりだされて 水平線からやっと顔をだせたかとおもったけど 水中でまた水を飲…

扉の向こう側

どの扉をあければあなたの部屋ですか 地の扉をあける 閉所恐怖症の父が 額に汗をかきながら 激辛カレーに砂糖をかけて食べている 水の扉をあける 所詮、ぼくの心の宇宙など ガラスコップに入った水 火の扉をあける 床下から地響きとともにきこえる プリペイ…

恋愛というメロディー♪

ねているとき すきなひとのことを おもうと 自然と きもちよくなって そしてそれが 音楽になったりして クレッシェンドがかかってきて からだが火照ってきて あつくなったら あなたのすきとおる肌で 冷ましてください ふと目がさめて しまったら とちゅうで…

紙飛行機

真夜中、裸足で外を歩いていたら なんで裸足かっていうと 剣道やってたからね すると、公園から白い紙飛行機 が飛んできたので それを手にとって飛ばしてみたら 風に乗ってどこまでもとんでいくので 裸足のまま、追っかけていって 田んぼの畦を越えて コンビ…

セピア色の夢

まだちいさいころのことだろう 道路に三輪の自動車が走っていた 壁にかかっている時計の針は いつも5時でとまっていた お嫁にいってしまった、幼馴染のあの子も もちろん、あのときのまま。 道具箱からもちだしたドリルで一緒に 空き地に穴を掘った で、そ…

第7(nana)夜「。。。ちゃねりんぐ。。。 」

伝説の夢の島。。。。 ここは、恋人同志が虹を渡って辿り着ける島。 夢のなかの島なのか、世界地図の中に存在する島なのかはわからない。 nanaさんは17歳らしい。彼女は誰ももってない輝く光を内に秘めている。 でも一方で、孤独ということばを繰り返して…

第6夜「現代音楽作曲法における12音技法」

銀の玉を水平線に向かって、 颯爽と空から吹く風にまかせて 転がす。。。。。 銀の玉には、1オクターブ ドからドまでの間に存在する、およそ12と想像される音♪ が転がるたびに無作為に鳴る、リロリロリーンという音階を自然に。。。 で、偶然にもそれがメ…

第5夜「オペラ座の天井画」

「オペラ座、ここいった?」 「行ったけど中は入れなかったよ」 紺碧のそら、瑠璃色の星、色彩のある甘い詩 「ルーブルのモナリザやビーナス見たよね?」 「いやあのときはたまたまストライキで門前払いだったよ」 大雨が降っていたが、すぐ止んで日が射して…

第4夜「あなたはわたしの守り神?」

体のなかに寄生虫がいる。 昨日食べたサーモンの刺身の中に宿っていたに違いない。 それは、どんどん長くなって、腸のなかで成長しているのがわかる。 5cmが10cmに明日は20cmかクソっ、お腹がくすぐられる、体が蝕まれる。 そんな馬鹿な、そいつは青…

第3夜「喘息という焦燥感のある細い吐息」

. 喉が練炭の火を押し当てられたようにひりひり痛い。 アルコール100%のウオッカを飲まされたようだ。 どこかで野犬の狂気ともいえる鳴き声がこだまする。 息が途切れてしまわないように心臓と肺の中間ぐらいの箇所に 思い切り中指を入れてみた。 時間は…

第2夜「彼女は誰かを救いたくて尼になった」

そこはかなり霧の深い山奥の苔寺。 ひんやりとした空気は、乾燥した都会の空気とは違う。 そこに1人の年老いたお婆さんが背中に体の半分以上を占める 大きさの籠をかついでしゃがんでいる。 横には三尺ほどの小さなほこらがあり、中に顔が朽ちかけてはっき…

第1夜「彼岸をすこし過ぎた頃に・・・」

垣根の角を曲がったところに、こじんまりとした小道具屋風の時計屋がある。 横手には、2軒ほどの川が流れていて錦鯉が群れをなして泳いでいる。 店の中には古希を過ぎたくらいで、喜寿には未だ早い感じの爺さんがひとりいる。 手先が器用で古い虫眼鏡を覗き…